君にティアラ

「あっ、果穂、あたし用事あるから帰るねー!」

真菜も直ぐに昨日の人だって気付いたみたいで。

楽しそうな顔をして、さっさと帰ってしまった。

あーあ、また明日からかわれるよ、絶対。

あたしに向かって来た男の人は小さな声で。

「町田果穂、さん?」

と聞いて来た。

あたしは小さく頷く。