君にティアラ

(え――…?)



あたし、の。

見間違いじゃなければ。

通る女の子にチラ見されてはしゃがれてるのは。


校門の脇の壁に背を凭れ掛けさせてるのは。

(髪の色は違う、けど)

間違いなく昨日のあの人だ。


「あ」

あたしと真菜に気付いてその人が身体を壁から起こした。