君にティアラ

「…は、い」

ゆっくりぎこちない手付きでランチボックスを取り出して、心配そうにおずおずと健吾に差し出す。

「お、すげぇ。ウマソー」

蓋を開けた健吾が歓声を上げる。

一度落としたせいも、あたしも場所に気をつけて戻したりしなかったから放り込んだだけでぐちゃぐちゃの中身。

砂が付いているのも見て直ぐに分かってる筈なのに。

「いただきます」

パクリ、とあっさり放り込まれたおかず。

咀嚼する合間に砂のジャリ、って音が聞こえた。