君にティアラ

目頭を手の甲で押さえて涙を堪えて。

一個一個、散らばったおかずをタッパーに放り込む。

(…もうこれ、食べられないな)

落としちゃったし、渡り廊下だから砂とかも付いちゃったし。

(健吾に…食べて貰いたかったのにな)

胸の奥が、何かを無理矢理押し込まれたみたいに重い。