私の涙が乾く頃に
父が入ってきた。

きっと父も
何も言わなくても
分かってるんだ。

だってほら
昔、私に何かあると
頭を撫でてくれた様に
今もポン、ポンって
撫でてくれた。


「さて、お昼にしましょうか。」

母のその声で時計を見ると
かなり時間が経っていた。
「お母さん私も作るよ。」

「フフッ、一緒に料理するの何年ぶりかしらね。」

そう言ってキッチンへ向かう母。
私もその後を
追いかけようとして
足を止めた。