「さすが私の娘ね。」

そう言って微笑む母。

「でも、自分勝手だよね。瀧のとこから逃げてきたのに会いたいだなんて…」

「亜子、人は成長するにつれて、言いたいことも言えなくなるし、"常識"にとらわれて、やりたいことも出来なくなるわ。"大人"なんだからって。でもね亜子、誰かを"好き"だって思う気持ちに"大人"も"子供"もないのよ。ただ大人になると、子供の頃大好きな人に大好きだって言えたのに、素直に言えなくなってしまうわ。臆病になってしまったのね。」

「臆病…」