そう言って如月は自分の長い指で丸を作る。

…なるほど。金と言いたいのか…


「だから許してくれるかなって」

「金で何とかしようなんて、相っ変わらず卑怯ねぇ」

「嬉しいくせに」

「…さよなら」


本当によく分からない男だ。ヘドが出る。


「キスまでした仲じゃーん。今更、何逃げてんの?」

「あれは事故よ。掘って返さないで」

「照れてんの?かーわい、千秋」

「照れてな…ぎゃっ!?」


耳が濡れる。如月は何故か笑いながらこう言った。


「耳、弱いね。消毒だよ。梓からいらない言葉受けたんだろ?」

「あ…んた…また…何して…」

「あれ、分かんない?舐めたの。耳」

「キ…の次はみ…み…?」