「まあ…一お…あら、玲」

「ご機嫌いかがですか?雪子様」


絶妙なタイミングで胡散臭く微笑む如月に、吐き気を覚えるあたし。


「千秋様」


突如、如月に名を呼ばれる。


「今日は休日ですし、外の具合もよろしいようですので、ご一緒に外へお誘い申し上げるのですが、どうでしょう?」

「千秋ちゃん、話はまた今度にしますわ。どうぞ玲と散歩でも行ってらっしゃって」


いつもなら即願い下げなのだが、今日は叔母さんもいるので、そうやすやすと答えるわけにはいかない…


「…分かりました。行こう、如月」

「かしこまりました。では、失礼致します。雪子様」


微笑みながら、部をわきまえたかのように、礼をする如月。どれもこれも、皆嘘くさい。


「千秋ってさ俺が執事言葉になったとたん、やけに素直になんねぇ?」