まただ…またあたしの言葉を遮り邪魔をする…


「そんなわけないでしょ。あれ玲、頭悪くなった?」


突然口調が変わった倉木さん。

もしや倉木さんも、如月と同じ人種なのではないだろうか?という疑問が湧いてくる。


「悪くなった?何フザけたことぬかしてんだよ。自分が頭腐れてんの、俺に押し付けてるだけだろーが」


なんだか険悪なムードに困惑するあたし。

だが逃げようとしても、如月が肩に腕を回して抑えているので無理だった。


「千秋…さんだっけ…?」


突然倉木さんに名前を呼ばれる。


「は、はい!」


いくら言葉は変われども、倉木さんは倉木さんだ。素直にあたしの心臓が反応する。


「婚約者…いや、執事が金持ちっつーのも困るでしょ?」

「…まあ」