「あ…」


そう冷たく言い放ったのは、紛れも無くさっきぶつかった男の人。


「何かおっしゃって?倉木唯さん」

「目の毒だっつってんの。言っとくけど俺、主人以外の人間はどうでもいいから。覚えといて」


あの人はあからさまに巻き髪嬢に、喧嘩を売るような態度で睨みつけた。


「倉木って言うんだぁ…」


うっとりと見惚れてると、カツカツと音をを立ててあたしの前を、通り過ぎていった巻き髪嬢のハイヒール。


「アナタ、ちょっと一端の執事だからって調子乗るんじゃありませんことよ」


予想通り倉木さんの所に立ち止まる。


「ちょ、ちょっとやめなよ。小牧さん」

「…こんな侮辱黙ってろって言うんですの?佐倉さん」

「は…っ侮辱も何も本当のことでしょ」

「倉木さんも!」