「アンタのせいでしょーが。アンタがそんな顔なのがいけないのよ」

「ふーん、千秋ヤキモチ?」

「馬鹿いってんじゃないよ。何処をどう妬くのさ」


あたしがそう言うと疑り深そうに、顔を戻す如月。


「お着きになりましたよ。千秋様」

「知ってます」


教室へと1歩踏み出したとたんに、周りが騒ぎ出す。


「やっぱり、玲様が執事をやってるって本当だったのね」

「あのプライドの高い如月がなぁ…」

「信じられませんわ」


いろいろな言葉が混じる中、さっきのお嬢様が声を張り上げた。


「静粛に!玲様については一切の口出しをしてはなりません」

「小牧様!何故なんです?1番に、玲様を慕っていたのに…」

「とにかく、口出しは無用ですわ。いいですこと?皆さん」

「は、はい…」