ですわ、ですわってもう少し気の利いた語尾の言い回しが出来ないのだろうか…


「ったく大して親しい仲でもないのに、こんな馬鹿げた小娘が…」


典型的お嬢の後ろに引っ付いて来た取り巻きが口を出す。


「親しい仲でもないって…まあそっか。執事も一応赤の他人だしね。でも少なくとも、アンタらよりは親しいと思うよ」

「し、執事?誰のことを言ってらっしゃるのかしら?」

「え?きさら…もがっ」


あたしはいきなり後ろから、口を塞がれる。


「千秋様こんな所にいらっしゃったんですね。あれ、小牧さんに弥生さんに後藤川さん。こんにちわ。こんな所で何をしているんです?」

「あ、あの玲様!この小娘の執事をしているというのは、本当なんですの?」

「ええ…小牧さん、仮にも千秋様は私の主となる方です」


小牧と言われたその女が静かに頷く。如月はその女の肩を持ち、こう言った。


「一切余計なことはしないで頂きたい。千秋様のお体にもしものことがあったら、どう責任を取ってくれるのですか」

「は…はい。申し訳ございませんわ…」

「分かればいいんです。行きましょう、千秋様」