あたしの執事

『本当?』と言わんばかりにあたしは目を丸くする。玲はくすっと笑うと


「大丈夫。俺、死なねーし。つか簡単に死んでも困るんだよね」


と言った。移植なんて、そう易々と耳にする言葉ではない。だからあたしは心配だった。

自分の身のことじゃないのに…今までこんなに胸が苦しくなったことなんてなかったのに。全部…全部玲だから……?


「じゃあさっそくだけど、ナースコールで看護士呼んで相談すっか」


頭部の裏で手を組み伸びをする玲。呑気でいいなぁと静かに微笑む。

あたしの中はこんなにも一杯一杯なのに。


「お呼びでしょうか?」


いきなり現れた看護婦。足音すらなかったので、気づかなかった。


「こんちわっす。移植の件カタつきましたよ。覚悟決まりました」

「本当ですか?良かったぁ。じゃあ手術、受けるんですね」