更に追い討ちをかけるあたし。玲は目を細め言う言葉を無くしている。


「あ、そろそろ朝食の時間だ。取りに行ってくるね」

「…なんか俺と千秋立場逆転してね?」

「元はといえばあたしが主人ですから」


あたしがそう言うと、玲は口に手を当てしばし黙り込み、それに続いてにやりと笑った。


「下克上って言葉知ってる?」

「え?」


空になったプリンの容器が落ちる。玲はそれを気にせずにあたしの顎を持ち上げると、そのまま自分の唇付近に持っていった。

……頬に違和感がする。


「口の方が良かった?」

「…はあッ!?」

「千秋これだけで動揺しちゃうんだもん。やっぱり立場は俺の方が上だな」


もう嫌だ。急すぎる…