「俺、ずっと千秋が羨ましかった」


突如放たれた玲の言葉。


「え…?」


当然あたしは驚く。何にでも完璧にこなす玲があたしを、羨ましがっていたなんて見当外れもいい所だったから…


「何をしてても笑っていて、怒ってるときもなんかすっげー楽しそうで…ずっと憧れてた。今もね」

「…あたしも玲に憧れてるよ。玲は他の人と違うって、自信もってそう言えるもん」


本当に玲は人と違う。性格も、裏のあるところも、掛け替えのない物を持っている所も。

そう感じたあたしとは裏腹に、苦しそうに呟いた。


「俺、病気なんだよ。どんどん細くなってって、その内、息も出来なくなるってさ」

「う…そ…」

「嘘じゃない。事実。しかも、不治」

「…」


絶句するあたしにスッと手をかざした玲。