「…い、おいっ!」 雨に雑じってかすかに 聴こえた低い声。 「ふぇ?」 「色気ねぇー声で 驚いてんじゃねぇよ。」 見上げれば 春谷がそこに居て。 「やっぱなー…。 お前長距離苦手だろ?」 な…んで…っ? 「なんで、って顔してる。」 わたしの手を持って 立たせてくれる。