下駄箱まで来ると拓磨くんは私の腕を離した。



そして、私の方を振り返ると、 



「我慢しなくていいんだよ?泣きたい時は泣けばいい。」



私は拓磨くんの言葉で今まで溜めてた涙が一気に頬をつたった。 



そんな私を拓磨くんは何も言わず抱き締めてくれた。 



その優しさにまた涙が溢れた。 



しばらくして、涙が止まって。 



拓磨くんの方を見ると私の涙のせいでシャツが染みのようになっていた。 



「ごめんなさい。私のせいで汚してしまって。」



「いいよ。こんなの大したことじゃないし。」



そう笑った拓磨くんはいつもの可愛いいではなく1人の男の子だった。 



「さぁ帰ろう。」



拓磨くんの言葉で私達は靴を履き替え昇降口を出た。 



今までの私達をずっと見ていた人がいたことに私は気付かなかった。