Princessの掟





「優…「百合亜ちゃん?」


「えっ?」



優斗を呼ぼうとした時どこかで聞いたことのある声がした。 


振り返るとそこには五十嵐拓磨がいた。 



「なんで…ここに?」


「あれ?言ってなかったっけ。僕竜黄学園なんだよ。」


「そうでしたの。」



私はちょっと居ずらくなり困って、優斗の方を見るとちょうど目が合った。 



「それより、考えてくれた?婚約の話。」



止めて!! 


その話を優斗の前でしないで。 



そう叫びたいけど言えるはずもなく。 


私が困っていると 



「失礼。百合亜さん校長が呼んでいます。」


少し離れたところにいた優斗がすぐそばにいた。 



「悪いけど、今は僕と話しているんだ。それより君は誰だ?」


「それは失礼。僕は城東優斗です。」



優斗の名前を聞くとさっきとは大違いに拓磨の顔は弱々しくなった。 



それをみた優斗は 


「では急いでいるので失礼するよ。」



それだけ言うと私の手を引いて歩き始めた。 


私は何が起きたか分からずただ優斗に付いて行った。