「調子はどうです?プリンセス。」


案の定、そこには校長が立っていた。 



「ご心配には及びませんわ校長。」



心配有り過ぎたよ!! 


心の中で叫んでいると後ろに奴がいた。 


いつ来たんだってくらい早い。 



さっきのめんどくさいという顔は何処にもない。 
ある意味尊敬する。


「入口でもなんですし、中へどうぞ。」


そういうと、奴は校長をエスコートして中のソファーへ導いた。 



「あら、ありがとう。では見させていただこうかしら。」


遂に来てしまった。 
ホントにちゃんとできるのかな? 


不安に思いながらも目で合図して中原に曲を流させた。 


もちろん、今までの光景を見ていた中原は少し不安そう。 



そして曲が流れ始めると私と奴は踊る体勢を作り踊り始めた。 


えっ? 


さっきとは大違いに奴はダンスが上手い。 


私だけでなく中原もびっくりしている。 


私は奴の方へ顔をあげるとそれに気付いた奴は意味ありげに笑ってきた。 



出来るなら始めからやってくれたらいいのに。 


そんな不満を持ったまま曲が終わった。 



最後に礼をすると 


パチパチパチ 


大きな拍手が鳴った。 


いつきたか分からないがダンスフロアーには校長だけでなく多くの生徒がいた。 


「素晴らしいわ。これならパーティーでお披露目したら注目の的ね!」


満足そうに笑う校長。 
そしてその他大勢。 


私としては大きな脱力感。奴がちゃんとできると分かって良かったって感じ。