「わたしから、」



そう言って近づいて僕に花束を渡してくれた美吏那ちゃん。 



「ありがとう、美吏那ちゃん。」



「琢磨くんには百合亜のことでもいろいろ助けてくれた。ありがとう。」



そう言った美吏那ちゃんの目から涙が流れた。 



「あらら、美吏那ったら。」



そんな美吏那ちゃんにハンカチを手渡している百合亜ちゃん。 



本当に仲いい2人。 



「私からはこれよ。」



ぶっきらぼうだけど僕に渡したのは少し大きめの四角い板みたいなもの。 



「これは?」



「これも、飛行機で見なさい。」



「ありがとう、茉莉香ちゃん。」



「別にッ…、たいしたことじゃないわ。」



そう言うとそっぽをむいてしまった。 



素直じゃないな。 



「琢磨、そろそろ入らないと間に合わないわ。」



「分かったよ。…皆、ありがとう。じゃあ行くね。」



ゲート口に並ぶ。



「元気でね。」



「風邪引くなよ。」



皆の言葉を背にゲートをくぐった。