奴は私がきたことに気付いたのかこっちを見て手を振っている。



「ムカつく。」



私服姿は初めて見るけど、ムカつくぐらいかっこいい。



私は少し早足で奴のもとに駆け寄った。




「ごめん。待たせた?」



「………」



私の声が聞こえないのかよく分からないけど、奴が私の顔をずっと見ている。



ずーと見られて少し顔が赤くなるのを感じた。



私はそれを隠すように違う方を見て奴には分からないようにした。



「何処に連れて行ってくれるの?」



「そうだな。お前に見せたいもんがあんだけど、時間的に早いし、取り敢えずぶらぶらしねぇ?」




「まぁいいけど。」




私達はショッピング街を歩くことにした。