車乗り込むとゆっくりと走り出した。 私は名残惜しくて後ろを向いてだんだん小さくなる病院を見つめた。 これで良かったのかな。 病院が見えなくなって前に向き直って座席によっかかる。 「中原。」 「はい、なんでしょうか?」 私が呼び掛けると前に座っていた中原が振り返った。 「これで良かったのかしら。」 「何のことでしょう?」 「茉莉香さんよ。一度もお見舞いに行ってないわ。それに、今どんな状態なのかも分からないし。」 私が話し終わると中原は何か考え口を開いた。