Princessの掟







不思議に思い頭を上げると琢磨くんはいつも以上に優しい顔をしていた。 



なんだろう。 



なんかいやな予感がする。 



「百合亜ちゃん…。ちょっと話があるんだけど。」



琢磨くんは表情を変えずに答えた。 



私は戸惑いながらうなずいた。 



2人でテラスに出た。 



テラスには私達以外誰もいなかった。 



しばらくすると琢磨くんが口を開いた。 



「今日、気付いちゃった。」



そう言うと琢磨くんははぁーと一息ついた。 



「今日、百合亜ちゃんがいなくなった時美吏那ちゃんと一緒に捜したんだ。」



琢磨くんは静かに話し始めた。 



でも私は琢磨くんが何を言いたいのか分からない。



琢磨くん、私に何を伝えたいの? 



私は無意識にドレスを握り締めていた。