中に入ると沢山ある長椅子の一番前に百合亜は座っていた。 ドアが開いたことに気づいた百合亜は素早く振り返った。 「茉莉香さん……。」 茉莉香は百合亜の方に一歩一歩近づいた。 百合亜の前に来ると百合亜の視線に合わせるように茉莉香は膝を床につけた。 そっと茉莉香は百合亜の手を握った。 「……ごめんなさい。」 茉莉香は消えてしまいそうな声で呟いた。