「そういえば、さっきのテストどうだった?」
わざとらしく私の方を見てくる。
奴が私の方を見てることに気付いてない2人。
「俺は、70だよ。微妙だった。」
覆紀君が言い出した。
微妙というけど、私のクラスは1番上のクラスのS。
だから悪いわけじゃない。
「わたくしは、75でした。」
美吏那が言った。
その後しばらく沈黙。
ずっと下を見ていた私が顔を上げると3人がこっちをみていた。
もしかして、次は私?
「百合亜は何点だったの?」
美吏那に問いただされて言葉を濁して言った。
「えっと……、たいした点じゃないわ。」
笑いながら誤魔化したら奴が水を差した。
「言えない点数なんですか?」
挑発してくる奴。
「そういうわけじゃないわ。」
「じゃあ何点だったの?」
むむ。
もう逃げられない。
「98よ。」
私は小さく言った。
「すごくいいじゃない。どうして言わなかったの?」
「……」
私が返す言葉を悩んでいたら、
「俺らより高いから気遣ってくれたんだよ。」
覆紀君が助け船を出してくれた。
「もう!気なんて遣わなくていいのに。」
覆紀君の言葉で理解したのか美吏那が言ってきた。
「あはは。」
私は苦笑いするしかなかった。


