Princessの掟






顔を上げると何日ぶりの優斗がいた。 



「ダンス、足引っ張んなよ。」



待っていた言葉とかけ離れた優斗の嫌みだった。 



久しぶりに話す私に対していきなりそれ? 



「あら、優斗さんこそ私の足を引っ張らないでくださいね?」



負けじと優斗に言った。



「当たり前!」 



彼はニコッと笑った。 



私は咄嗟に顔を前に向けた。顔が赤くないといいけど。 



私はどうにか気持ちを落ち着かせようと深呼吸を一回した。