校長室から私が出た後、校長室の中の隣の部屋からある人が出てきた。 「……貴方もそれでいいの?」 校長もまた百合亜同様にその人物に語り掛けた。 「……ふっ、今の僕には選ぶ権利がないですから。」 その人物もまた百合亜と同じことを言った。 「じゃあ失礼します。」 その人が校長室を出ていった。 「こうも、上手くいかないものなのかしらね。」 誰もいない校長室で校長はぽつりと呟いた。