えっ……―――。 気のせいなのかな? 私のほうに近づいてきているような気がする。 私は王子を見つめたまま動くことができなかった。 「はじめまして。姫、わたくしと踊って頂けますか?」 王子は肩膝を床に付け私に手を差し出した。