隣の教室は予備室で普通の教室より小さい。
教室に入ったはいいけど、私達は何も声を出さなかった。
「………」
「………」
重い空気が流れる。
そして始めに口を開いたのは優斗だった。
「……悪かったな。」
「えっ?!」
私はなぜ謝ってきたのか理解できなかった。
「王子役、あいつの方が良かっただろ?」
そう言った優斗の表情は切なかった。
私は…
そんな優斗の顔を見たかったわけじゃない。
ただ皆が笑っていられたら良かった。
私は口より体が動いた。
「……お願い、そんな顔しないで。」
私はそう言いながら優斗を抱き締めた。
優斗は私の行動に驚いているのか動かない。


