「悪いな。あとで取りに行くから」
「おう。気にすんな」
そこでちょうど交差点にさしかかった。ここで、宗と2人は別れる。
「じゃあ、あとで」
「おう。水原はまた明日な」
「うん。また明日」
2人と別れた宗は、自宅に向かって歩き始めた。だいたい10分ほど歩けば着く距離だが、やはり1人で歩いていると少し寂しい気持ちが湧いてくる。
持ってきているボールを右手で弾ませながら歩く。季節が春になっているということもあり、桜の木をずいぶんと見ることになった。
毎年この時期になると、宗はテンションが上がる。桜が好きだからなのか本人にも分からなかったが、桜を眺めているとやる気が起きるのは事実だ。
周りの景色を見ていると、10分というのはあっという間だったようで、すぐに自宅が見えてきた。この時間なら母親が幼稚園から、弟の弘樹を連れて帰ってきているだろう。
家の前にある郵便受けを覗く。何も入っていないので、やはり帰ってきているのだろう。
宗はカバンから自宅の鍵を取り出すことなくドアを開けた。
「おう。気にすんな」
そこでちょうど交差点にさしかかった。ここで、宗と2人は別れる。
「じゃあ、あとで」
「おう。水原はまた明日な」
「うん。また明日」
2人と別れた宗は、自宅に向かって歩き始めた。だいたい10分ほど歩けば着く距離だが、やはり1人で歩いていると少し寂しい気持ちが湧いてくる。
持ってきているボールを右手で弾ませながら歩く。季節が春になっているということもあり、桜の木をずいぶんと見ることになった。
毎年この時期になると、宗はテンションが上がる。桜が好きだからなのか本人にも分からなかったが、桜を眺めているとやる気が起きるのは事実だ。
周りの景色を見ていると、10分というのはあっという間だったようで、すぐに自宅が見えてきた。この時間なら母親が幼稚園から、弟の弘樹を連れて帰ってきているだろう。
家の前にある郵便受けを覗く。何も入っていないので、やはり帰ってきているのだろう。
宗はカバンから自宅の鍵を取り出すことなくドアを開けた。
