「やほッ♪入って入って」
インターホンを押して出てきたのはクロだった。


「髪切るんだって?」

「はい。鬱陶しいんで」


家の中へと入っていくと、もう玲人が準備をして待っていた。




「座れ座れッ」




いつものヘアメイク室へと入る。
玲人も、これまたなかなか有名な美容師。

いわゆる、有名人夫婦だ。
そんなこの二人の家はなかなかの高級マンション。
正直、羨ましい…。





「どうする?」

「爽やかで、若く見えるようにしてくれ」

「…十分若く見えるわ、童顔!」

頭をベシッと叩かれる。
玲人は老け顔だから。


「良い髪がもったいないダサい髪型しやがって」
また叩かれた。



「うるさい」
言い返すと同時に取りかかった。