イケメンJKと俺。

「ありがと先生ぇ♪」
ドアの前に突っ立っているわけにもいかず、神谷の斜め前に座ってコーヒーを渡した。



さっきまで座っていたのは…隣。



「先生は彼女いるんですか?」
少しコーヒーを飲んで質問してくる神谷。



「いたらいいんだけどな」
苦笑いをするしかなかった。
彼女もいなけりゃ女友達も少ない。


結婚なんかとっくに諦めていた。



「意外だなぁ」
コップの外についた水滴を指で触って言った。





「そういう神谷は?」

「いないですよ」

「へぇ、意外。好きな奴は?」

「…いますよ。でも…叶わないんですよ」

神谷の視線は2年校舎に向けられていた……。




「何で叶わないんだ?」
…藤丸先生だからか?



「向こうは、大人だし…私のことなんか」

「眼中にないってか」



悲しそうな目をして…苦しそうに笑って頷いた。