体育大会が近付くにつれて、誰が何に出るかクラスで決めることになる。

走りたくない私は、一番楽と思われる、三人四脚に千里と出るつもりだったが、クラスの女子殆どが三人四脚に集中。


各クラス三人しか枠がなく、くじ引きで決めることに。


男子が適当に作った、ペラペラのくじ。

教壇の上の箱に手を入れて、一枚の紙を掴んだ。


その紙を男子に渡す。



「おッ!!雨宮当たり!!」



幸運にも、狭き門を潜り抜けた。


だが、千里がまだだ。


どうせなら千里と一緒にやりたい。



千里の番が来る頃には、まだ当たりが二枚残っていた。


千里は性格そのままに、サッサと手を入れて、サッサと男子に紙を渡した。


「当たり!!!!」



「キャーッ!!!!私たちってスゴくない!?」



教室は私たちの声が響き、様子を見ていた先生に

「うるさいッ!!」

と怒鳴られた。




あと少しで体育大会。

その日は嵐の誕生日。


私は、何もしない。
動いて傷つくなら、誰かを傷つけるなら、動かない。


元々、私は一人だった。


友達として、嵐との繋がりを持っていれるなら、此処から動かない。