「くっつくのも変じゃない」

「“他人”すぎなんだよ」


『だって他人じゃないの』

と思いながら、スペースを詰めることなく、ただ座っていたら、嵐から寄ってきた。


「何か最近、冷たさを感じるんだけど」

「え?私?」

「お前」

「…そんなことないよ」


冷たかったのかどうか…。

客観的に自分を見ていないから、良く分からなくて返事に困った。


「お前さ…」

「え…?」

「髪、もう少し色落とせ」


何の話なのか、そんなこと指摘されて思わず立ち上がった。


「な…んだよ!!髪なんて関係ないじゃん!!」

「座れよ…」

「嵐の彼女でもないんだから!!」


自分で言ったのに、凄く傷ついた。


嵐がギュッと私の右手首を掴んで、力強く椅子に引き戻した。


「色、落とした方が似合うから」


泣きそうだった。


いくら似合っても、嵐の彼女の枠には入れない。

この場所は苦しい。


遠くから見てる方が、呼吸が楽だと思える。


ただ、
好きなのに

ただ、
苦しい。