「・・で、あるからして
この数式は・・・」



先生の説明が耳から入って抜けていく。





ゆっくりと空を流れる雲を見つめつつ
私はぼんやりと頬杖をついていた。





「…」



昨日のあれは・・何だったんだろう。





信じられないのが普通だ。





だけど信じなかったら、
私はあの時死んでいたかも。





すると。




ヌウッ。




「!?」



窓の外に見えた見覚えのある影。




『よー、ガキ』




「す、ストラスっ・・・!?」




先生に聞こえないくらいの声で
窓の外の猫に向かって話す。





「・・どうしてここに・・!」




『二ヒヒっ!
俺様がどこにいようと勝手だろ。


んじゃ』





「ちょ、ちょっと待って!」




ガタンッ。




「こら!神埼!
ちゃんと授業聞かないか!」



・・・うぅ。



「・・す、すみません」