恋と友情

ぶっきらぼうながら、親友が自分の恋愛を応援してくれているのは分かっている。


「あのなー、勇貴。お前最近、溜め息ばっかついてるよな。テストの順位もがた落ちだし、最近勇貴付き合いわりーってみんな言ってっぞ。誘ってもノッてこないってな。俺も思う。ハッキリ言って、お前クラいよ。――自分のマイナスにしかならない恋愛ならやめるんだな」


一気にまくしたてて、聖はレモネードを飲み干した。


「お前ごときに何でそこまでボロクソに言われなきゃなんないんだよッ」


勇貴も負けじと反論する。


しかし、弁論術にかけては聖のほうが一枚上手だ。もちろん、実力行使に出たところで、体の大きい聖に勝てるはずもない。


「とっかえひっかえ女遊びばっかやってるくせに肝心な時にこれだもんな。情けねーの」


聖の言葉が胸にぐさりとくる。


「…俺の恋愛方式はそんなんじゃねぇや」


悔しくてつい負け惜しみを言った勇貴を聖はなおも追い詰める。
「じゃあどういうもんなんだよ」


「まぁ、何と言うか…そのー、愛する人を一途に思い続けて、他の女の子にはわきめもふらずひとつの愛をつらぬき通すという健全かつ清純な男女交際といったとこかな…」


しばしの沈黙のあと、聖が大きな溜め息をついた。