可哀想な俺の内臓! (まだだけど)
……でも、ここでの負けはイコール盲腸爆発→みんな、また会おうね!
になるので、とりあえず彼は話を合わせることにした。
するといつの間にか、青年は内臓の素晴らしさを熱烈に語っていた。
「まずねえ、俺が驚いたのはその柔らかさだよ!
死体……おっと、大学に提供される検体とかってさあ、結構冷たくって固いんだけど、
それでも思ってる以上に柔らかいんだ。
スーパーに売ってる鶏肉とかとは、全然違うんだぜ」
「へー、わざわざ俺が分かる例えを気遣ってくれてありがとう(ぐえっ)」
「それでさー、最初のうちは臭いで吐き気が凄かったんだけど、
乗り越えちゃえば、そうでもないんだよね、これが。
魚捌いてる時と、そんな変わらない感じ」
「でも魚と同レベルで切られるの嫌だな、俺」
「たださー……やっぱなんつーのかさ、
内臓って、可愛いんだよね!
持ち主を生かすために、毎日せっせと健気に働いててさ……
その上柔らかくって、ぷにぷにしてて、
健康体なら、なおさら色も綺麗だし……」