「………気持ち悪い!」
俺は反射的に叫んだ。
「そうか? でもどんなに気持ち悪がっても、内臓は誰にだってあるぞ?
ぷにぷにの腎臓だの曲がりくねってめちゃくちゃに長い腸だの、
綺麗汚いに個人差が凄く出る肺だの、勝手に動く心臓だの……
まあ、あれだ。アイドルだってごはんを食う以上、うんこするしな」
「論点がずれてる! じゃなくて、『愛でる』って一体どういう……」
「知りたいか?」
「あ、やっぱいい! もつ煮が食えなくなる」
「そうか。残念だ」
しょんぼりする青年を眺めながら、彼は考えた。
……こいつ、やばい変態だ。
もし、臓器を提供するとして、それが誰かのためになるのなら、
まあ考えようによっては、いいのかもしれない。
だけど、せっかく内臓を一個出したのに、
こいつに可愛がられたってなあ……。