「で、お前は大金を俺に要求していると……」
白衣を身に纏い、きつい印象のメガネをかけた青年は、
彼を見てにやにや笑っていた。
「ん、ま、そう言われると、身も蓋もないんだけど……」
質素ながらも品のいい調度品がずらりと並ぶその部屋で、
彼は縮こまって返事をした。
もし、断られたらアウトだ。
「いいよ」
「え?」
「ただし、条件がある」
「何?」
「お前の臓器を一個くれ」
「(・▽・)?」
「何も、肺とか心臓はこの際要求しない。
だから、いいだろ?
それなら、俺が金貸してもそれ返さなくていいよ。どう?」