しかし、彼には問題があった。

一方、医者は笑顔で言い切った。

「え~、今の状態ですと、ちょっと薬じゃ治まらない段階まできてるんで、

治療費及び入院費、その後の薬代などは、このくらいになります」


「Σ(゜Д゜)え!?」


差し出された金額プランを前に、彼はフリーズした。

「あれ、どうしました?」

「えわわわわわ」

「あの、大丈夫ですか?」

「ギヘェ―――!」

「あ、あのですね! 今回のお値段は新しい保険を視野に入れまして相当お手頃なところなんですが……っていうか、ぶっちゃけあなたは即入院してほしいレベルっていうか、帰られても困るっていうか、

ちょっ……誰かあの人捕まえてー!」

「やあだああああ!」


彼は、看護士達の包囲網をかいくぐり、病院から逃走した。