「偶然街で会ったんだ。
彼は通称『奇跡を起こせる人』ヤヴァイ・ペテンスィさんだ」
「今なんか『やばいペテン師』って聞こえた!」
「気のせいだろ。まあ、あれだ。
もしお前が心肺停止状態になっても、この人がきっと奇跡を起こして、
悪い事をしまくったお前でさえも、天国に行けるようにしてくれるさ!」
「ちょっと待てよー!
俺悪い事とかいっても、駄菓子屋でズルして当たり付きガムをいっぱい貰ったことくらいしかしてないよー!」
「重罪だ! 死ね!」
同時に、麻酔針が刺された。
「ギャー!」
……手術台の上で、だんだん彼の意識が遠のく。
「安心しな……お前の内臓は全て、俺が愛でまくってやる……」
(おのれこ奴……初めからそれが目的だったのか……)
彼は、今度こそ本気でちょっとだけ涙を浮かべて、
深い眠りに付いた。