手術当日。

ストレッチャーに乗せられた彼は、手術スタイルの友人に尋ねた。

「ねえ、本当に痛くない?」

「痛くない痛くない。これから麻酔するんだから」

「誰が切るの?」

「俺。だから、今回のことはおやじ達には秘密だ」

「……やっぱ、内臓出すの怖いよ。それに、後が心配だし……」

「大丈夫大丈夫。ピノコこそいないものの、俺はブラックジャックと同じだぜ」

「どこが?」

「無免許なあたりとか」

「駄目じゃん! うわーんやっぱやめるー!

俺、今の居酒屋やめて歌舞伎町で治療費稼ぐー!

踊り子になるー!」

「こらこら。暴れるな。せっかく助手を一人調達したのに、俺の努力を無駄にする気か?」

「そういえば、そっちの人誰?」

彼は友人の隣にいた、若干肌が浅黒い手術衣の男性を見た。

「ハァ~イ! コンニチハ!」

「うわ、外国人!?」