「だってだってだって、死んでる臓器っていまいち可愛くないんだもん。
生きてる臓器が一番いいんだもん。ぴくぴくしてるし……。
アルコール保存してあるやつとか駄目駄目。
病気とか怪我で悪くなった臓器なんてもっと最低。
あんなの見られたもんじゃない。
だから、さっさと治して綺麗な臓器を見たいから頑張れるんだよ」
「うええー?」
(なんだよさっきの……物は言いようだな!)
白衣をはためかせ、すっかり彼はテンションが上がっていた。
「だ・か・ら! プリーズ、ユア、臓器!」
「あ、そこ日本語なんだ」
「細かい事は気にすんな。
で、どこくれる?
肝臓? 腎臓? 本音言うと、脳か心臓が欲しいところなんだけど」
「死ぬ! それ俺死ぬってば!」



