・・・・午後十時ちょうどって載ってたんだ。」

これを聞いた知子は、又涙を流した。

知子は急に正の胸に飛び込んだかと思うと、正の唇に自分の唇を重ね合わせた。
そして一言、


「絶対、死なないで下さい。」


正も知子に答えて、知子の体を抱きしめた。カメラマンの助手としてではなく、一人の女性として。
それから、二人は別々に別れた。知子は自分の部屋に、正はマンションのエレベーターへと。


時刻は午後9時58分25秒