朝、正は起きると午前七時ちょうどにコーヒーを飲むのが日課になっているので、台所に来てテーブルにコーヒーを出されるのを待っていた。美保が一秒でも遅く出そうものなら、すぐに口論になっていた。他にも、美保に買物から帰ってくる時間をしつこく聞いたりするなど、時間に執念を持っていた。それもこれも父親の残した遺書を気にしているからである。