「───俺の女に触んじゃねぇ!!」 頭上で怒声がして、ようやく現状を理解した。 見知らぬ男の腕の中で。 「ちょっ、あんた誰?!」 慌ててこの手を振りほどこうと、身を捩り男の方へ顔を向けると 乱暴な言葉遣いと 振りほどけないほどの逞しい力からは想像もつかないような 華奢そうな端正な顔があった。