「───熱っ!」 ぼんやりフロアを眺めていたら、吸いかけだった煙草の火がいつの間にか指近くまで来ていた。 慌てて灰皿に放り込み、酒を少し入れて火を消す。 ジュ、という音が爆音の中でやけにはっきりと聞こえた。 「もう、今日は帰ろうかな」 じんじんとする指の痛みが、元々シラけていた気持ちを更にシラけさせた。