さっさと仕事探さないとな〜。

朝起きると、私はそう思った。

秘書の仕事辞めちゃった以上、さっさと仕事見つけないと。

服に着替え、ボサボサの髪をとかした。

この不景気、仕事見つかるかしら?

そう思いながら、私は家を出た。

「…は?」

家の前に止まっている黒い車。

いかにも、怪しそう。

怖ェ…。

目を合わせないように、通り過ぎようとした。

「おい」

ゲッ…。

私ですか…?

「はい〜?」

…あ゛っ?

車のそばに、五十嵐がいた。

「“辞めろ”、って言った覚えはないぞ」

「私は、“辞める”と言いましたが」

そう言って、去ろうとした。