閑静な住宅街。街灯が消えかかりそうだった。
早く帰ろう…
帰る足を速めた。
すると後ろから一台の車がきて、あたしの横で止まった。
えっ?な、何?
前側の窓が開いた。中からひょっこりある人が顔を出した。
「高谷課長!?」
「やっぱり、佐藤だ。」
にっこりと笑った。おそらく、女を落とす時に使うのだろう。
「どうして課長が?」
「住んでる所、この辺なんだ。佐藤は?」
「あたしもこの辺にあるマンションです。」
課長はそっかと言った。
この人早く行かないだろうか…
課長が車を動かそうとしないため、あたしも動けれなかった。
「よかったら、乗せてかえって上げるよ?雨だから濡れるの嫌でしょ?」
そう言って、助手席のドアを開けてくれた。
乗るべきなのだろうか…?乗らなかったら失礼なのかな?
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