高校3年の春――



第2音楽室に響くピアノの音色。



ピアノの音が消えた瞬間一つの拍手が響いた。

「流石だね、紘子。完璧だったよ。」

「ありがと、秋人」

「今度のコンクールは紘子が優勝だね?」

「わかんないよ?」




昼休みの短い間あたしたちはお互いを誉めあい、高めあった。




「俺のも聞いてくれる?」

「うん」


当時この時が一番幸せだった。




だって―――…








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